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漁師が発見したボトルメールの文面
 インターネットの普及により、「偽書」は、かつての贋作のボトルメール以外のものも示すこととなった。
 偽書を作成しているいわゆる「偽書作家」は、新しいメッセージボトルが発見されたと称し、よく似た贋作、もしくは、真相を自分なりに解釈した新説を、右代宮真里亞の文書を騙って発表していた。
 その形式自体は変わらない。
 だが変わったのは、「いかにも本物の文章に見せかけた」偽書を、はじめから「これは偽書である」と了解した上で発表する「偽書作家」が増えたことだ。
 要するに、六軒島のボトルメールが、遊び道具として使われ始めたのだ。
 ……ここから、「うみねこのなく頃に」が書かれたきっかけが生まれる。
 さて、ここからは、ボトルメールや、伊藤の描く各EPの初出とその頃の反応、更に「メタ世界」と俗に呼ばれるシーンの元ネタだろう書き込みをまとめる事とする。
 現在は「EP1」と定義されている方のボトルメールの内容は、当初はこういった形式のものだった。
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・六軒島18人殺しまとめサイト(※現在はnot foundとなっている)
 漁師ボトルメールページより引用
 10月4日午前10時半。
 本土からやってきた全員が、六軒島に到着した。
 右代宮絵羽・秀吉・譲治の長女一家、留弗夫・霧江・戦人の次男一家、楼座・真里亞の次女一家である。
 使用人の郷田と熊沢が出迎え、まずはゲストハウスに案内される一行。
 ゲストハウス前のバラ庭園で全員がバラ庭園に見入っていると、真里亞は1本の萎れかけたバラを見つけた。
 従兄弟たちはバラに飴の包み紙を巻きつけ、バラの世話をしようと真里亞に話していた。

 その時、使用人の嘉音が、肥料を積んだ猫車を押していた。
 自己紹介をした後、立ち去ろうとした嘉音は、猫車の肥料を落としてしまったが、戦人と譲治が拾い上げるのに協力した。

 ゲストハウスに荷物を置き、両親たちは到着の挨拶をしに、本家屋敷へ行く。
 しかし、子供たちは面倒な話になりそうな屋敷には行かず、ゲストハウスに特別に用意された「いとこ部屋」で、お互いの近況を話し合ったのだった。
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 当然ながら、ボトルメールの内容は戦人視点ではない。

「右代宮真里亞」の署名がされている文章の内容が戦人視点だったとしたら、戦人が何らかの事情で右代宮真里亞を名乗った事になってしまう。そして筆跡は戦人のものではないとされている。

 また、途中の内容と最後の手紙部分とで筆跡が違う、……という事実も発見できないので、ボトルメールの内容は一貫して、同一人物によって書かれたものだと考えられている。
 そしてその人物の筆跡は、右代宮真里亞の筆跡とは異なることがニュースで明らかになっている。

 おそらく、本土の次女一家の家に残された右代宮真里亞の文書から、筆跡鑑定が行われたのだろう。

 ちなみに、この文章の筆跡が、右代宮家の人々のうちの誰かの筆跡と一致した、というニュースは、現在まで流れていない。

 それはもちろん、「『誰の筆跡とも、手紙の筆跡が合致しなかった』という事実があった」という意味ではない。実は誰かと合致していたが事実が伏せられた、というような可能性は、常につきまとうのだから。

 ちなみに、現在「EP2」と定義されている方のボトルメールも、EP1と同じく簡素な筆致だった。

 現在の戦人視点と第三者の目線が混在した、小説のような形式で書かれたのは、あくまでボトルメールを原作にして書かれた、小説「うみねこのなく頃に」だ。

「うみねこのなく頃に」で初めてボトルメールが「EP1」「EP2」と定義されたのだ。

 新参の読者はよく「この小説がそのままボトルメールに入っていたのだ」と誤解されるのだが、普通に考えて、ワインボトルにこれだけの分量を入れるのは不可能だろう。

 更に、これほど明らかに「物語」だとしたら、これが現実にあったことではないかと疑問に思う人間はいないだろう。

「うみねこのなく頃に」を書いた人物?
 それは当然……。

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